生まれてから18歳までを過ごした長崎は全てが絵になる街だ。 カメラをぶら下げて歩くと余計にそう思う。 住んでいる頃はそんなことは感じたこともなかった。 ただ坂が多く、山の上まで家が建っていて住むにはシンドイ田舎町の印象しかない。
「出身は長崎? いいところですねぇ。 修学旅行で行きましたよ!グラバー園」
グラバー園や眼鏡橋は観光客の行くところで私自身は行った記憶がない。 しかし今回の帰省は観光客と同じようにそういう場所も歩いてみた。

まるで少年時代から時が止まってしまったような穏やかすぎる天候だった。スナッピングには首から下げた Leica Qが最適。生まれたから小学校5年生までを過ごした鳴滝町を歩く。 流石に半世紀近くという時間は多くのものを変えてしまっている。 そこに住んでいた人、建物、風景、面影・・道は何となくは残っていたりするが記憶の中でしか再現できない。

この先、いつまで生きられるかわからない。 明日死ぬかもしれない。 自分の過ごした街の面影をこの目とカメラに焼き付けておきたいと思った。

Kaz
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